大分の木炭

大分県は昔から樫炭の産地として知られています。太平洋に面した県南部の山地は樫山が広範囲に分布し、原木が硬いことから火持ちの良い炭が製炭されてきました。炭焼きの歴史は古く『炭焼き小五郎』の伝説の地でもあります。今でも齢70を超える炭焼き人が古くから伝わる炭焼きの技術で炭を焼いています。 ひと昔前までは木炭は必需品で冬になれば山里のいたる処から炭窯の煙が上がっていました。大正時代に私の祖父が宇目の見明峠(現在の佐伯市宇目)で木炭の集積所を営んでいた話を母から聞いたことがあります、その頃から100年、私が木炭問屋を商いにしているのも何か可笑しなものを感じます。